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天皇陛下とオランダ国王がそれぞれの代表チームのタオルをおかけになり、一緒にW杯を観戦なされたと話題ですが、実はこの写真は歴史的にも紋章学的にも非常に興味深い一枚でもあります!
それというのも、オランダ代表のチームカラーがオレンジ色なのはオランダ王室の家名「オランイェ=ナッサウ家」に由来しているからです。このオランイェがフランス語ではオランジュ、そして英語では「オレンジ」となります。
その由来は、オランダ王室の開祖・ウィレム1世の時代の1544年にまで遡ります。現在の国境ではなく、封建制に基づく所領が支配地だった当時、ウィレムはフランス南部のオランジュ地方も相続していました。この地にちなんでウィレムはオランイェ公と呼ばれるようになり、現在のオランダ王室の家名、そしてオランダ代表のチームカラーにもつながっています。
ちなみに、こちらの南仏オランジュ地方やその周辺には同地の地名にちなんだ「オレンジ色の紋章」があることでも知られます。また、現在のオランダ本国ではオレンジ色の紋章はほとんど使われていないものの、旧植民地の南アフリカにはオレンジ色の紋章が残っています。
ヨーロッパの紋章学において【金・銀・赤・青・紫・黒・緑】の7色以外が使われることは基本的にはほとんどありませんが、オレンジ色はそうした風土や歴史に基づく例外色といえます。そしてこの色彩はオランダ王室の成り立ち、そして彼らの海上帝国の歴史と結びつくことで特別な象徴性を帯びるようにもなりました。
オランダ国王がオレンジ色のタオルをつけて応援なされる。これはオランダ国王が自国の代表チームのタオルを巻いているというだけの話ではありません。むしろその色彩をめぐるオランダの伝統と格式の源泉であられる国王自らが、その色をお召しになられている光景なわけです。
言い換えれば、皇室や王室によるスポーツ観戦は文化振興やソフト外交にとどまらず、そうした歴史の生きた光景ともなりえるのです。この写真はそのことを象徴的に物語る一枚と言えるでしょう。


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