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「エホバの証人」が
信者への輸血を一部解禁した。
昨日発表されたばかりのニュース。
ただし解禁されたのは
自分の血液をあらかじめ保管して
手術時に戻す「自己血輸血」だけ。
他人の血液による輸血は
いまも禁止されている。
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実はこの問題、
日本では最高裁まで争われた
有名な判例がある。
1992年。
エホバの証人の信者が
「絶対に輸血しない病院」だと信じて
東大医科研に転院してきた。
ところが病院側は
「最終的には輸血する」という方針を
患者に伝えていなかった。
手術中に大量出血。
病院は同意なく輸血を実施した。
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最高裁の判断はこうだ。
輸血したこと自体は違法ではない。
ただし、
「うちはいざとなったら輸血します」と
事前に伝えなかったことが違法。
今でいえば、
「副作用のリスクを説明せずに
薬を処方した」ようなもの。
患者が手術を受けるかどうかを
自分で決める機会を奪った。
それが人格権の侵害にあたると。
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つまりこの判決、
医師が「命を救った」のに負けている。
賠償額は55万円。
金額の問題ではない。
「説明しなかった」というただ一点で
救命行為が違法になりうる。
インフォームド・コンセントの重みを
これほど端的に示した判例はない。
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今回の方針緩和で
予定手術のトラブルは減るかもしれない。
ただし緊急時の他人の血液による輸血は
いまも信仰上の禁止が残っている。
四半世紀前の判例が問いかけた
「命か、信念か」という問題は
完全には解消されていない。
弁護士田中広太郎/KT@LawyerTanaka
エホバの証人は2026年3月20日(日本時間)に、過去の教理を変更して自己血輸血を信者に解禁しました。
日本語





















