
母親がもうお婆ちゃんだった。
母の日なので帰省すると、顔の皺が増えて、腰も曲がっていた。
肩の腱を切ったらしく、腕が上がらないそうだった。
プレゼントにキーホルダーを渡しても、視力も握力も弱くなって、カバンに付けられないと困っていた。
記憶力も落ちて、ぼくが実家にいた頃の思い出を話しても「そんなことあったっけ?」と真顔で言われた。
3年後にはぼくのことも忘れるのかも知れない。
そんな状態でも母はとにかくぼくの心配をした。
「ご飯はちゃんと食べてるの?」
「あなた服それだけじゃ寒いでしょ」
と忙しなかった。
あと何回、母と一緒に食事ができるか分からない。
いま映画をつくってるから、母がまだぼくを覚えてるうちに完成させようと思った。
どうか長生きしてください。他は何も要らないから、元気でいてください。

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