
教科書の常識を覆す!最新研究が示す減税の効果「公共事業よりも減税」:伝統的な経済学の教科書では、政府支出が減税よりも効果的な景気刺激策であると教えられてきました。しかし、最新の実証研究は、この常識を覆す結果を示しています。今こそ、私たちは「まずは減税」という選択肢を真剣に検討すべき時ではないでしょうか。 教科書での理論とその限界 従来の経済学、教科書での説明では、政府支出乗数が租税乗数よりも大きいとされてきました。政府支出乗数とは、政府が1単位の支出を増やしたときに、GDPがどれだけ増加するかを示す指標です。政府が公共事業やサービスを自ら支出することで、直接的に消費や投資が刺激され、経済全体が活性化すると考えられてきました。この乗数効果は、教科書によっては1〜1.5倍、つまり公共事業を1兆円増やせば、最終的に国のGDPは1兆円から1.5兆円増えると説明されています。 一方、租税乗数は税金の増減が消費や投資に与える影響を示すもので、従来は政府支出乗数よりも小さい、具体的には0.5〜1程度と考えられてきました。1兆円減税をしても、5千億円から1兆円しかGDPが増えないという意味です。減税による可処分所得の増加は、全額が消費に回るわけではない(=限界消費性向が1以下である)ため、その効果は限定的とされていたのです。 最新の実証研究が示す新たな現実 しかし、近年の実証研究はまったく異なった結果を示しています。多くの研究で、政府支出乗数が0.6〜1程度であるのに対し、租税乗数が2〜3にも達することが明らかになりました。つまり、減税はその額の2倍から3倍もの経済成長を引き起こす可能性があるのです。 減税がもたらす経済効果の理由 なぜ減税の効果がこれほど大きいのでしょうか。大きな違いは、柿埜真吾氏が指摘しているように「単純なケインズモデルでは需要サイドしか考慮されておらず、供給サイドへの影響が無視されていることが挙げられるでしょう。インフラの整備や減税は投資の意思決定に影響し、経済の生産能力を高める可能性がありますが、機械的な乗数効果の計算では当然これが無視されて」いることが大きいでしょう。また、特にわが国では経済対策は補正予算などで比較的容易に実行できるものですが、所詮、今年一年限りの「一時的」なものと受け止められてしまう一方で、減税は法律改正が必要で手続きが難しいため、いったん税率が引き下げられれば「恒久的」に行われるものだと受け止められることではないでしょうか。また、税金は多くの場合、経済活動に歪みをもたらします。減税によってこれらの歪みが解消されると、企業は新たな事業展開や雇用創出に積極的になり、長期的な経済成長にも寄与します。 政府支出の限界とリスク 一方、政府支出にはリスクがあります。最近の自民党政権の少子化対策の支援金や、ガソリン流通過程への補助金でも明らかなように、政府が資金の使い道を決める場合、政治的な影響や官僚的な手続きによって、資金が必ずしも最適な場所に配分されない可能性があります。いわゆる公金中抜き問題、非効率なプロジェクトや一部の利益団体への優遇など、経済全体の効率性を損なう事例も少なくありません。これに対し、減税によって人々が自ら資金の使い道を決めることで、資源はより効果的かつ創造的に活用されます。 これらの点を踏まえると、景気政策として、今後は、公共事業などではなく減税を優先的に検討すべきでしょう。減税は短期的な景気刺激策であるだけでなく、企業の行動を望ましい方向に導くことを通じて長期的な経済成長の基盤を築く手段ともなり得るからです。 減税の景気浮揚効果(租税乗数)が公共事業などの景気浮揚効果(政府支出乗数)を上回る実証研究での現実を直視すれば、今の日本の経済状況でまず行うべき政策は「まずは減税」、減税政策になるだろうと考えます。 「減税vs.政府支出:なぜ減税が望ましいか - 柿埜真吾のブログ」 shingokakino.hatenablog.com/entry/2023/04/… を参照しました。



















