
同僚は、ふっと笑った。 「キャンプ。1泊2日で。 子供3人、父親1人で。毎月母親だけ家に残してた」 「子供の頃は、嫌やってん」 「"お母さんも一緒に行きたい"って、 毎回、駄々こねてた」 でも、母はその2日間、 スマホの電源を切って、 家のことを一切しない約束だった。 「それを大人になってから初めて知ったんよ」 「父が、冷蔵庫に母のご飯まで用意してた」 母親は最初、信じられなかったらしい。 「ホンマに何もせんでええの?」 父は、笑って言った。 「ええよ。家事って、休む方が罪悪感あるやろ。だから休む許可が必要やねん」 その一言で母は2日間、 本当に何もしなくなった。 ドラマを一気観したり、 コンビニで全種類のプリン買って食べたり、 昼まで二度寝したり。 「そのせいか、母はいつも機嫌が良かったし、 家の空気もいつも明るかった」 それを聞いて、私は絶句した。 職場には口を開けば 「俺、家事も育児も手伝ってるんで」 と自慢してくる自称イクメンの先輩がいる。 ゴミ出しを、月に1回。 週末の皿洗いを、週に1回。 でも子供と旦那が家にいる限り、 家事はずっと奥さんの仕事のままだった。 同僚は、ぽつりと続けた。 「父が偉かったのは、 "手伝う"じゃなかったとこ」 「目が離せない存在の俺らごと、 家から連れ出してたんよ」 「あれが、本当の意味の家族を支えるってこと」 帰り道、ふと思った。 家事を「手伝う人」は、自分を主役だと思ってない。 家事を「自分の仕事にしてる人」だけが、 相手をちゃんと休ませることができるんだと思う。





























