
#企業領域キャリコン応援
第60回は「新規参入の脅威」。 経営企画やIR部門、M&Aの経験が長かったので経営者は何を考えどう解決しようとしているのかをお話しするシリーズです
「5フォース」の2番目「新規参入の脅威」については、異業種からの参入に対し、越境できる人材をどう育てるか?という課題が考えられます。
先の見えない競争環境で異業種や全く新しい発想を持った会社が新規参入してくる可能性があります。
連載16回でシュンペーターのイノベーション論で紹介した「新結合」という考えによれば、何もかもがゼロから生み出されるものは少なく、既存の要素が新しい結合の仕方でイノベーションが起きる。例えば自動運転の車については、「走る、曲がる、止まる」、とか「燃費がいいこと」などの既存の要素に、自動運転という要素が結合されて成り立ちます。
これをキャリアに当てはめると、リスキリングのハードルが少し下がります。 「既存のスキルをすべて捨てて(アンラーニングして)ゼロから学び直す」のではなく、「今持っている強みに、何を結合させれば新しい価値を生めるか?」。この視点こそが、社員のモチベーションを維持しつつ、組織を変革するリスキリングの本質ではないでしょうか。
「リスキリングは『捨てる』ことではなく『結ぶ』こと
これまで「専門性が育たない」と批判されがちだったメンバーシップ型雇用の「配置転換」。しかし、異業種参入に立ち向かうための「柔軟な新結合」を生む土壌としては、実は大きな利点があります。それは柔軟に越境=ローテーションができるからです。このような社内の人材育成、配置転換に加えその道の専門家を採用することも当然大事になりますし、最近の動きとしては採用がなかなか進まなないケースでは別の会社の組織ごとM&Aするということも出てきています。
整理すると今、人事に求められているのは、以下の4つの手法を「経営戦略」の解像度で組み合わせることです。
(1)育成: 既存スキルに「新要素」を掛け合わせるリスキリング
(2)配置転換: 社内での「越境」による新結合の創出
(3)採用: 特定分野の専門家という「外部要素」の注入
(4)M&A: 採用が間に合わない場合の「組織ごと」の新結合
■ キャリアコンサルタントの役割
私たちキャリコンは、個々のクライエントが持つ「既存の要素」を棚卸しし、次に何を「結合」させれば、企業の新しい競争力になれるのかを一緒に描く「設計士」でありたいものです。
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