半年に一度くらいはかならず聴くようにしている.従って聴くごとに0.5年ぶん歳をとっているわけだが,いくつになっても“クレオパトラの夢”で感動する心は喪いたくないなと思うのである.これで何も感じなくなったらおしまいだ,
と.今夜もジンときてしまった.私はまだ大丈夫なようだ.
The Scene Changes
マッセイ・ホールのコンサート実現には,カナダ出身のブレイがパーカーと築いたコネクションが活きたようだ.巨人たちの演奏を聴き,己の演奏の未熟さを痛感したという.これはその翌年('54)の録音で,まさにバドの領域を目指したものなのだろうが,バップから微妙にズレた感じがチラリ,チラリと.
Paul Bley
現時点でのパーカーベスト3は
①カーネギー・ホール('47)
②セント・ニックス('50)
③マッセイ・ホール('53)
いずれも大ホールで大スケールのジャズが聴ける.特に本盤はアルトがプラスチックだとか喧嘩したとかギャラが不渡りになるとか逸話がいちいちジャジーで最高.
Jazz at Massey Hall (VDJ-1567)
ベースのオーヴァーダブがない“From Original Recording”.本盤(VDJ-1560)の解説(油井正一)では‘All the Things You are’ だけ別録音でピアノはB.テイラーらしいと書いてあるのだが,最近の評伝(牧野本やへディックス本)では特に言及がない.どちらでも本作の価値は揺るぎないけれども,ちょっと気になる.
サンフランシスコ組曲に限らず,このひとの演奏は基本的に組曲的というか,ひとつの曲のなかに3つくらいの展開が用意されている,物語性の強いものが多いように思える.舞台劇の音楽を担当するくらいだからお手のものだったのだろうけれども.このアルバムでは‘To Bud with Love’が出色.
Under Paris Skies
'53年,死の2年前.元気のないバード.薬や酒による破綻とは別種の,いつものキレのない,ため息のようなアルト.『パーカー伝』によると,この時期に彼は「創造することは難しくなってきている」と語ったとのこと.そういう意味では「人間チャーリー・パーカー」を味わえる貴重な音源.
Bird at the High-Hat
無骨と愛嬌のあいだをゆくのがバップではないかという気が最近していて,そういう意味でこのアルバムは極めてバップ的な名盤だと思う.表題の組曲なんか,チャーミングな表情の下,全部親指で叩いてるんじゃないかというような演奏で13分をぐいぐい引っ張る.フレディ・レッド,好きだ.
Sanfrancisco Suite