
日本政府がインドに「原油・ナフサをくれ、代わりにLPGを渡す」という物々交換を打診しています。 なぜインドなのか。実はここに2026年エネルギー危機の構造が凝縮されています。 ホルムズ海峡の封鎖で、日本の原油調達の約9割が止まりかけています。 特に深刻なのが「ナフサ」の不足です。 ナフサとは何か。 プラスチック、合成繊維、薬品、半導体材料。現代の製造業はほぼすべてがナフサから始まります。 食品の袋、服、スマホの中身、病院の点滴バッグ。それらの原料が今、枯渇しつつあります。 石油化学メーカーはすでに生産削減を検討し始めています。 一方、インドが直面しているのは「LPG不足」です。 インド国民3億世帯が毎日の料理にLPGを使っていますが、中東への依存度は約90%。 在庫は約2週間分しかありません。 ここで「交換」のロジックが完成します。 日本のLPGはホルムズ海峡を経由しないルートで調達できる分に余裕がある。 インドは世界第4位の精製能力を持ち、ロシア産原油を加工してナフサを輸出できる。 つまり、お互いが「欲しいものを相手が持っている」という、偶然とは思えない構造的一致です。 大和総研の試算では、中東からの原油輸入が10%減少しWTIが150ドルを超えた場合、日本の実質GDP成長率は2%ポイント押し下げられ、マイナス成長に転落する可能性があります。 問題は「この交渉が成立するかどうか」ではなく、「なぜ平時からこうした多角的な供給網を持っていなかったのか」という一点に帰着します。 1970年代の石油危機から半世紀。中東依存度は当時より高くなっています。 あなたの家のプラスチック製品が値上がりするとしたら、それは地政学の話ではなく、エネルギー政策の失敗の話です。 この状況を「国際情勢のせい」と片付けるべきか、それとも構造改革を迫るべきか。























