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【問】
23区の不動産は今後も上昇するのか?
【答】
近いうちに下落する
【理由】
不動産購入でリターンを得る方法は「物件価格上昇によるキャピタルゲイン」と「家賃によるインカムゲイン」の2種類だが、結論どちらも投資妙味は無いと思う。以下4点の理由で説明したい。
(理由①)
国債利回りと不動産利回りの関係
足元では 10年国債利回りが実質不動産利回りを上回っており、リスクプレミアムを考慮しても投資妙味は乏しい状況にある。国際的な事例を見ても、実質利回りは概ね 1~2%が底となり、その後は「価格下落」または「家賃上昇」によって利回りが改善してきた。さらにIMFの予測では、日銀のターミナルレートは 1.5%程度 と見込まれており、不動産との相対的な魅力度は低下していく可能性が高い。
(理由② )
家賃上昇の制約と価格下落による調整
利回り改善するには「物件価格の下落」か「家賃の上昇」しかないが、家賃が 名目賃金の上昇率を超えて上がることは難しい。加えて、日本は借地借家法の影響で家賃改定の粘着性が高く、価格の下落を通じて利回りを修正する必要がある。実際に8月発表の23区のCPI統計データを確認すると過去5年間で総合物価は11%上昇したが、家賃はたったの2.3%しか上昇していない。一方で設備・修繕維持費は14.8%上昇していることも付け加えておきたい。
また、現在、名目賃金は年3〜4%の伸びを示しているものの、米国との関税摩擦などにより輸出企業の競争力が低下すれば、賃金上昇率の加速は期待しにくい。仮に名目賃金が年3%で上昇し続けたとしても、前述の「家賃が 名目賃金の上昇率を超えて上がることは難しい」という制約から不動産利回りは 10年で2.0%→2.68%程度の改善にとどまり、国債利回りを下回る状態が続く。
(理由③)
外国人投資家の影響と為替リスク
足元の円安により、中国を中心とする外国人投資家の資金流入が都内不動産を上昇させてきた。しかし、中国はデフレ不況に陥り、金融緩和を強めており、今後は人民元安・円高方向にレートが反転する可能性が高い。その場合、外国人による利益確定売りが増加し、市場の調整圧力が一段と強まることが想定される。
(理由④)
供給コスト上昇と価格形成の乖離
一部では「建設費高騰が続くため、販売価格も上昇する」との見解があるが、価格決定の要因は 需要と購買力(所得や金利環境) であり、供給コストではない。実際、日本の過去局面でも建設費は上昇していたにもかかわらず価格が下落した事例(1990年代後半〜2000年代前半)が存在する。暴落局面では、ディベロッパーが原価割れで販売を迫られるだろう。
【結論】
都内不動産市場は、足元の低利回りと国債利回り上昇を背景に、投資妙味が急速に失われている。欧米やアジアの都市(ロンドン・ベルリン・香港など)では家賃上昇で利回り改善が可能だが、日本では法制度上の制約から「価格下落」という形で調整するのが歴史的にも一般的である。
(例1)バブル崩壊(1990年代):家賃はほぼ横ばいだったが、価格は半値以下に下落し、利回りは価格下落で改善。
(例2)リーマンショック(2008〜2010年):家賃は微調整にとどまったが、価格は20〜30%下落し、利回りは分母調整で改善。したがって、今後の都内不動産価格は、名目賃金の伸びの限界と金利環境の変化、外国人資金の逆流によって、早晩調整局面に入るリスクが高い と考えられる。

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