いちぴー@出版Producer

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いちぴー|物語を書く人。 言葉にできなかった想いが、 ふと、ほどける瞬間の物語を 静かに書いています。 『ほどける心の物語』シリーズ 著者 電子書籍35冊以上。 物語は、下のリンクから。

Japan Katılım Kasım 2023
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言葉にできなかった 想いが、 ふと、ほどける瞬間の 物語を書いています。 泣かせたいわけでも、 前向きにさせたい わけでもない。 ただ、 「このままでも、 生きていい」 そう思える一瞬を、 そっと。 —— いちぴー
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その噂は、驚くほど 静かに広がった。 「……あの二人、 別れたらしいよ」 声の主は特定できない。 いつもそうだ。 噂は、誰かの口から 出た瞬間に、 もう“みんなのもの” になる。 対象は、あの窓際の席に よく座っていた カップルだった。 一緒に来て、 同じケーキを頼み、 写真を撮ることもなく、 ただ話していた二人。 最近、片方しか 見かけなくなった。 それだけで、 “別れた”という 結論に至るには、 人はずいぶん合理的だ。
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噂は、形を急がせる。 でも、愛は、 形を急がない。 静かな関係ほど、 他人には 見えにくいだけだ。 その日、 “付き合っているらしい” という言葉は、 誰かの背中を 少しだけ前に押し、 誰かの足元を 少しだけ揺らした。
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一方、潤と彩は、 いつも通り並んでいた。 誰にも “付き合ってるらしい” と言われたことはない。 でも、誰よりも長く、 同じ席に座っている。 「不思議だね」彩が言う。 「なにが?」 「一番静かな関係が、 一番長く続いてる」 潤は、少しだけ笑った。 「たぶん、“関係を 説明しなくていい” ってことが、一番の 余裕なんだと思う」
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彩は、その様子を 静かに見ていた。 「……噂って、便利だけど 残酷だよな」 潤が、カップを 回しながら言う。 「本人たちが一番 ゆっくりしたいところを、 一気に早送りする。 しかも、巻き戻しは できない」 その日の帰り道、 真琴は藤堂に言った。 「……付き合ってるって、 思われてるみたい」 藤堂は、少し考えてから 答えた。 「じゃあ、違うって 言う?」 「……それも違う気が する」 二人は、 しばらく黙って歩いた。
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藤堂は、その噂を もっと軽く受け止めて いた。 「そう思われるなら、 そう見えてるって ことかな」 真琴は、その言い方に、 少しだけ胸がざわついた。 噂は、人の背中を 押すこともあれば、 人の立ち位置を 勝手に決めてしまう こともある。 「付き合ってるなら、 この先どうするの?」 そんな質問が、まだ 始まってもいない関係に 未来を要求する。
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