
【他武道で黒帯を巻くという危険な誤解】 以前、生徒の保護者から 「空手の黒帯を、柔道でも巻いても良いですか?」 と聞かれたことがあります。私は即座に 「絶対にダメです!」 と止めました。 そもそも、柔道という武道に対して非常に失礼な行為です。逆の立場で考えてみると、 「柔道で黒帯だから、空手でも黒帯を巻きます。空手は知らないけど」 という人がいたら、どのように感じるでしょうか。少なくとも、私は良い気分にはなりません。 さらに、 「柔道で黒帯だから空手でも黒帯」 よりも、 「空手で黒帯だから柔道でも黒帯」 の方が、はるかに危険です。なぜなら、 「投げ技の方が死亡事故が多い」 からです。 かつては空手の組手中に死亡事故が発生することもありましたが、現在ではそのようなケースはほとんどありません。 一方、柔道の乱取り(空手でいう組手)では、今でも死亡事故が発生しています。 例えば、空手は黒帯だが柔道は初心者という人が、柔道の稽古中に黒帯を巻いていた場合、経験者が 「黒帯だから手加減無用!」 と判断し、本気で投げてくる可能性があります。 その場合、受け身ができなければ、本当に命の危険があります。 柔道では、最初の1〜3か月は「受け身の練習」が中心です。 受け身を十分に習得した後、初めて自由攻防(乱取り)が許されます。 つまり、いくら空手の黒帯であっても、受け身に関しては柔道初心者より劣る可能性が高いのです。 受け身を知らない状態で柔道経験者の本気の投げを受ければ、重大な事故につながる危険性があります。 このように、武道における礼儀やルールは、最終的には「生死」に関わる問題です。 帯に関することも、その一環に過ぎません。 武道の価値観は万人向けではないかもしれませんが、生存術の一つとして、知っておいて損はないでしょう。























