
3割負担にすれば、現役世代の保険料が必ず下がる。 そう思っている人は、一度だけ後期高齢者医療の「財源構造」を見た方がいい。 後期高齢者の医療費は、窓口負担を除くと、 公費 約5割 現役世代の支援金 約4割 高齢者本人の保険料 約1割 で支えられている。 ここまでは、比較的知られている。 でも、あまり知られていない例外がある。 75歳以上の「現役並み所得者」は、すでに窓口3割負担。 そしてこの人たちの医療給付費には、公費が入らない。 つまり、自己負担を除いた部分は、 高齢者本人の保険料 約1割 現役世代の支援金 約9割 で賄われる。 ここがややこしい。 もし今の仕組みのまま、3割負担の対象を「現役並み所得者」として広げるだけなら、公費が入らない領域が広がり、現役世代の支援金負担がむしろ増えうる。 実際、健保連も「現役並み所得者の範囲拡大は、公費負担の導入とセットで」と主張している。 財政審の資料にも、3割負担の対象者が増えることで、かえって現役世代の負担が増えないよう、安定財源を確保し、現役世代の保険料負担が確実に軽減される制度設計にすべき、と書かれている。 つまり論点は、 「高齢者にもっと払わせるか」 だけではない。 「その分を、税金で支えるのか」 「保険料で支えるのか」 「公費が入らない3割負担枠をどう扱うのか」 まで見ないと、現役世代の負担が本当に軽くなるかは分からない。 3割負担の議論には、賛成も反対もあっていい。 でも少なくとも、 “窓口負担を上げれば、現役世代は自動的に楽になる” というほど単純な制度ではない。































