Mari Takahashi
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Mari Takahashi
@__mari
Designer at Fujitsu👩💻and a hiker⛰山歩きとキャンプが好き。Englishと日本語の間。デジタル界隈でUI作ったり。HCD-Net認定人間中心設計専門家。Opinions are on my own.






#yoitoi 私たちはどこまで「ユーザー理解」をできるのか? 小林 啓 x 高橋 真理 小林さんは、精神科医であり、デザイナーでもある。精神科医として働く一方、学生の頃からグラフィックデザインに興味があり、大学院生の時に医療系のプレゼンテーションデザインを教える講座を開いた。「医療系のスライドって、まあひどい。これを何とかしたい、もっと分かりやすい話もできないのかな」と考えたことが始まりだった。その後、治療のためのアプリを作る会社のデザインチームに入り、現在は精神科医療に携わりながら、生成AIをメンタルケアに活用することが人間にどのような影響を与えるのかを研究し、デザインの仕事も続けている。 高橋さんは、デジタル系のデザイナーとして、ウェブデザイン、新規事業、アジャイルによるプロダクト開発、起業、サービス開発を経験し、現在は富士通で金融系の顧客に対する業務アプリケーションのデザインに携わっている。 今回の問いは、「私たちはどこまでユーザー理解ができるのか」。小林さんにとって、精神医学にもデザインにも共通するのは、「人間をどう理解するか」という関心である。精神医療には精神医療の、デザインにはデザインならではの人間の理解の仕方がある。 プロダクト開発の初期には、探索的なリサーチによって、ユーザーになる前の人間の情報が大量に集まる。しかし、開発が進むにつれて、その混沌とした情報は、デザイナーや開発チームの意図によって絞り込まれていく。それ自体は必要なプロセスだが、次第に「作る方」に意識が向き、ユーザーを理解する視点が弱くなることがある。ユーザーを徹底的に理解して作るというより、自分たちが最初にイメージしたもの、自分たちが作りたい、実現したいものを作る方向に、ベクトルが向いてしまう。 高橋さんが運営していたのは、外国人旅行者と日本人をつなぐサービスだった。最初は、表面的な日本しか見てもらえていない、もっと日本のことを深く知ってほしいという思いから、メディアを作った。次にQ&Aの仕組みを作り、文化体験のメニューを載せた。その中で圧倒的に人気だったのが、「日本人のマリさんと居酒屋に行きましょう」という体験だった。そこで見えたのは、「人同士の交流がコアな価値」だということだった。もっと日本を深く知る方法は、現地に住んでいるリアルな日本人と話すことだった。曖昧だったものが、作って出すことを繰り返す中で、はっきりしていった。 一方、治療アプリは、倫理審査や臨床研究を挟み、作るまでに四、五年かかる。限られた患者さんからしか話を聞けず、意見もばらばらである。長い制作期間の中で、最初のインタビューは次第に忘れられ、「どうしたらできるか」「どう実現するか」、事業責任者やデザイナーの「これを作りたい」という意思が強くなる。ユーザーインタビューに戻っても、「こういう人が言っているから、これでいいよね」と、自分のやりたいことの答え合わせに使ってしまう。それが患者さんのマジョリティに必要なものなのか、自分が作りたいものに都合よく合う情報だけを選んでいるのか、分からなくなる。その怖さがある。 精神科医療では、「同情ではなく共感をしないといけない」と教えられる。患者さんと同じ感情になるのではなく、その感覚を客観的に理解し、そこに同調しながら解決策を模索する。共感は、精神医療でもデザインでも重要なスキルである。 ただし、インタビューで共感することと、それをもとに何を提供するかを考えることは違う。インタビューでは、相手が話しやすい場を作るために共感が必要だが、デザイナーとして考える時には、共感しすぎてはいけない。「デザインは、ユーザーが欲しいものを提供する行為ではない」。ユーザーが困っていること、ペインだと感じていることを咀嚼し、今までにない価値をどう提供するか、そのコンテクストと形の間を作る。ユーザーに直接共感し、それをそのまま形にするだけでは、デザインではない。 ユーザー理解には、統計的にマクロで見る方法も、デプスインタビューのようにミクロで深く知る方法もある。しかし、実際に取り込む必要があるのは、必ずユーザーになる人と、ユーザーになる可能性がある人の間にいる、曖昧で不確定な人たちである。定量はある程度を語れるが、「定量になぜはない」。金融系の業務アプリケーションでは、ユーザーがどのような業務フローで働き、誰が登場し、どの部署とどの書類を受け渡しているのかまで深く知らなければ、デザインはできない。 観察によって見える課題も、その現場特有なのか、業界全体なのか、その日たまたま目についたのか、個人だけのものなのかは分からない。しかも、ユーザー自身が課題だと思っていないこともある。 「デザイナーの仕事は、特定の流れに人を閉じ込めるのではなく、人が創造的になれるような世界を作ること」



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