某氏 retweetledi

国によって性行為中の女性の喘ぎ声が違うことからも、文化的背景が喘ぎ声に与える影響は明らかだが、ハプバーや裏垢ハメ撮り動画などでの行為を見ていると、20代(推定)の女性は「お゛っお゛っ」という所謂オホ声を出す人が結構いて、高めの声の「あっ」系統が多い中年からしてみると、喘ぎ声のジェネレーションギャップを感じる。そんなことない、中高年の大半もオホ声出すよって場合は経験不足でごめん。
オホ声の起源は、2000年代前半のみさくらなんこつのマンガ作品群に登場する「みさくら語」にあると考えるのがおそらく妥当だろう。みさくら語は「ダメ→らめぇ」や「です→れしゅ」、そして「んぉほぉぉォォ」などが代表的で、そこから「んほぉ」が派生し「おんっ」や「お゛っ」ができていったと考えられる。音声作品としてのオホ声初出は2018年頃らしい。オホ声という一大分野が当然のようにある環境で育った若い人たちが、行為中にオホ声を出すことはなんら不思議ではない。
というようなことはネットを調べればすぐわかることなので、もう少し喘ぎ声について深堀りするために一つ論文を紹介してみる。スウェーデンの研究者Andrey Anikinは、Orgasm Sound Library(現在は閉鎖)にアップロードされたオーガズム中(セックスまたはマスターベーション)の音声2239件を解析して、性行動中の声が実際にどのような音響的特徴をもつのかを調べ、またその音声を109人の人にきかせて、オーガズムが本物か偽物かを判断させた。
結果としては、音響的特徴も山なりのピークを示し、ピークに近づくにつれて声が長く、大きく、高く、有声的で、音調的になることが示され、女性の発声のほとんどは絶叫はなく多くはため息や比較的穏やかなうめき声だったと解釈されている。またピーク付近では発話が非常に少なく非言語的な発声がメインになっていた。また音声を聞かせた実験では、声が大きすぎる、長すぎる、発声量が多すぎると本物らしくないと判断されることがわかった。
論文中で著者は、性行動中に声を出す理由を三つのレベルで整理していてわかりやすい。ひとつは、スポーツで力を入れる時に声が出るのと同様、強い身体運動に伴う副産物としての生理的・身体的レベルの発声。次が、おいしい食べ物を食べた時や美しいものをみてうっとりした時、音楽を聞いて気分がよくなった時などと同様に、気持ちよさから出てくる情動・快楽レベルの発声。そして相手を喜ばせる、相手に行為の調整を促す、早く終わらせる、性的魅力を演出する、などを目的とした社会的・戦略的レベルの発声。
一般的に女性の喘ぎ声というのは演技か演技じゃないかで単純化されがちだが、著者の結論は、オーガズム前には意図的・戦略的・身体運動的な発声があり、オーガズム近辺には自発的な快感発声が強くなるという複合的なものになっている。これは自分の実感とも近くて、前戯開始時点での発声は会話における相槌に近くて「あなたがしていることに反応していますよ」のサインであり、オーガズム付近では何か話しかけられてもちゃんとした言葉を発することができない。
濁点がついた喘ぎ声の時は本当に気持ちいいんだよ、みたいなXの投稿を時々見かけるが、性行為中でも色んな状態があるので、多様な喘ぎ声を楽しんでいただけると幸いである。
参考文献
Why do people make noises in bed?
Andrey Anikin 2024.
DOI: 10.1016/j.evolhumbehav.2024.02.002
日本語























