Sabitlenmiş Tweet

ロキソニンは、原油を出発点とする有機合成で作られます。
中東などで採掘された原油が日本の製油所に運ばれる。
原油を蒸留し、ガソリン・軽油・重油と一緒に「ナフサ」が分けられます。
ナフサを石油化学コンビナートのナフサクラッカーで高温分解すると、
・エチレン
・プロピレン
・ブタジエン
・ベンゼン・トルエン・キシレン(BTX)
などの基礎化学品が一度に生成されます。
ロキソプロフェンは、「ベンゼン環+プロピオン酸+五員環(シクロペンタン様骨格)」からなる分子です。
ベンゼン環:ナフサ由来のベンゼンを起点に、多段階の有機合成で置換パターンを整える。
プロピオン酸部分:エチレンやプロピレンを酸化して得られる有機酸から導入されます。
五員環:環状ケトンなどを出発物質として構築されます。
これらを複数段階の反応で組み合わせ、立体構造も精密に制御して、ようやくロキソプロフェン原薬ができます。
原薬ができてからも、旅は続きます。
原薬が国内外の製剤工場へ運ばれます。
デンプンやセルロースなどの賦形剤と混合し、錠剤化してPTPシートに充填します。
箱詰めされ、医薬品卸を通じて病院・薬局へ供給されます。
医師・歯科医師・薬剤師を経て、患者さんの手元に届きます。
この長いバトンリレーのどこかが止まるだけで、ロキソニン1錠の安定供給は簡単に揺らいでしまいます。
ロキソニンを指で押し出すときに割れる、あの銀色のシートはPTP(Press Through Package)と呼ばれます。
中身の薬だけでなく、このパッケージそのものにも石油化学の産物が使われています。
日常的によく使われるボルタレンやカロナールも、同じ「石油コンビナートの家系」に属します。
ボルタレンの有効成分ジクロフェナクは、
2,6-ジクロロアニリン
フェニル酢酸系の骨格
といったベンゼン環を2つ持つ芳香族化合物から構成されるNSAIDsです。
これらの原料は、ナフサ由来のベンゼンを出発点に、ニトロ化→還元→塩素化などの有機合成を重ねて合成されます。
シンプルに書くと、
「原油 → ナフサ → ベンゼン → 芳香族中間体 → ジクロフェナク」
という流れで、ロキソニンと同様に完全な石油由来の鎮痛薬です。
カロナール(アセトアミノフェン)は、
ベンゼンから合成したフェノール
フェノールをニトロ化・還元してp-アミノフェノールにする
p-アミノフェノールを酢酸または無水酢酸でアセチル化する
という手順で工業的に大量生産されます。
このフェノールが、ベンゼンやクメン(ベンゼン+プロピレン)を使う石油化学プロセスで作られているため、アセトアミノフェンも
「原油 → ナフサ → ベンゼン・プロピレン → フェノール → p-アミノフェノール → アセトアミノフェン」
とたどれる、石油由来の解熱鎮痛薬です。
ロキソニン(ロキソプロフェン)、ボルタレン(ジクロフェナク)、カロナール(アセトアミノフェン)は、構造も作用も少しずつ違いますが、
ベンゼンなどの芳香族化合物を起点にした石油化学ルートで作られます。
そのベンゼンは、ナフサを割る際にエチレンやプロピレンと“兄弟”として同じクラッカーから生まれる
という点で共通しています。
日本語




















