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宇都宮美術館で開催されている「ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち ヴァルラフ=リヒャルツ美術館所蔵」に行ってきた。
僕にとってこの《跳ね橋》は、かなり特別な一枚。
最初の出会いは、もうずいぶんと前になる。南フランス・マルセイユのレストラン。コース料理の紙のランチョンマットに、この絵が印刷されていた。
当時は美術にそこまで興味もなくて、ゴッホも「ひまわり」くらいしか知らなかった。でも、この絵だけはなぜかものすごく惹かれた。
それで食事のあとにスタッフさんにお願いして、新しいランチョンマットを分けてもらった。ただの紙なんだけど、どうしても持ち帰りたかったんだよね。
そのときに「アルルの橋だよ」と教えてもらって、アルル=ブック運河にかかっていたラングロワ橋の話や場所も聞いた。せっかくならと思って、そこからアルルまで行ってみた。
元の橋はもう残っていないけど、復元・移設された「ヴァン・ゴッホ橋」も見ることができる。
実際の景色は絵とは少し違う。あの水の流れや光を見ながら、この絵の風景ってこういう感じだったのかもしれないな、ってぼんやり想像していたのを覚えている。
帰国してから、そのランチョンマットを家に置いていたら、母が「これいいね」と言って額縁に入れてくれた。ただの紙が、ちゃんと飾る一枚になって、そこからずっと実家のリビングに。
身近にあるのに、本物は見たことがない、という状態のまま時間が流れていった。2016年に日本(たしか福岡と沖縄?)に来たときは行けなくて、そのまま時間が経っていった。
そして2026年。今回は時間をつくって、宇都宮まで見に行った。やっと本物と対面。
青と黄色、そこに緑が加わる色の鮮やかさが段違いで、南仏の光みたいな色が、そのまま立ち上がってくる感じがあった。
近くで見ると、筆のタッチや絵の具の重なりもはっきり分かって、あの厚みがそのまま画面の力強さになっているのが印象的だった。
とにかく存在感が圧倒的。色使いのコントラストと、構図の大胆さが本当にすごい。
この《跳ね橋》との出会いをきっかけに、美術が好きになって、美術館巡りが趣味になった。もしあのとき、あのレストランで食事をしていなかったら...。たぶん、そこまで美術館に通うこともなかったと思う。
ちょっと大げさだけど、そんなことまで考えてしまうくらい、この《跳ね橋》との出会いには意味があったような気がしてる。
紙のランチョンマットから始まって、現地に行って、家に飾られて、本物を見る。振り返ると、ちゃんと一本の流れになってるのが気持ちいい。
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