比嘉 チハル
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比嘉 チハル
@kinchiha
沖縄でTVディレクターやリポーターをしています。アーケード街、写真と台湾、猫が好き。 いまはRBC琉球放送で取材中。 #あなたの623 #残したい沖縄 ゆるやかに募っています。サカナクション浅瀬

東南植物楽園は幼少期、台湾生まれの母とよく遊びに行った思い出の地。創始者は同じく台湾人で、花蓮出身の故・李堅(大林正宗)さん。アメリカ統治下の1968年に創設した当初は、大林農園だった。初期は観光地というより、おそらく観葉植物の供給拠点(苗木・栽培)としての意味が強かったし、今では想像しにくいけれど、沖縄戦から20年経っても、60年代の沖縄は緑が乏しく、裸地に近い風景が広がっていた。大林さんは台湾人ながらに沖縄で、東南アジアのように植物が生い茂る自然景観を作りたいと願った話を、沖縄の台湾人コミュニティのおばあから聞いたことがある。 たまたま古本屋さんで買った1963年に書かれた那覇の中学3年生の見聞記に、「現在でもムキ出しの地肌が目立つ。本土の人々が羨ましい。緑のあることはすばらしい。本当にすばらしい」とあった。 個人的に興味深いのは、東南植物楽園 が県内第1号の博物館相当施設に認定されていること。沖縄では、美術より先に、風景そのものがミュージアムになった歴史がある。環境そのものが展示対象や植物が見せられる資源として成立しやすかったのだと思う。 白色テロの時代、内側に圧力を抱えた社会から飛び出した花蓮出身の一人の台湾人が、アメリカ世の沖縄へ渡り、ベトナム戦争の基地経済で一時的に潤う沖縄で、育てた熱帯・亜熱帯植物を島から島へ移植し、さらに本土復帰後は、その風景ごと「南」として観光にひらいた。 来月仕事で花蓮県に行くので、大林さんが沖縄での事業が成功した後に、生まれ故郷の花蓮で建てた中琉球記念公園にも、足を運びたいなと。

















