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きちくま
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男子校というのは、通っているあいだはとても楽しい場所だ。
たぶんそれは、皆が驚くほど馬鹿だからだと思う。
朝からどうでもいいことで笑い転げ、授業中ですら妙なあだ名が生まれ、廊下では誰かが意味もなく走っている。教室にはいつも少し汗と制汗剤の匂いが混ざっていて、季節が変わるたびに窓際の光だけが静かに違う角度で差し込む。
そこには異性の視線がない。
だから少年たちは、自分を演じなくて済む。
格好つける必要もないし、モテるための言葉を覚える必要もない。ただ気の合う連中と、終わりのない放課後を過ごしていればよかった。
そして皆、そんな日々が永遠に続くような気がしている。
でも大学に入ると、ある瞬間に気付く。
たとえば新歓の帰り道。女子と自然に会話している同級生を見た時かもしれないし、あるいは自分だけが何を話せばいいのか分からず、氷の入ったグラスを意味もなく回している時かもしれない。
その時ふと、心のどこかで思うのだ。
我々はあの六年間で、
何か大事なものを置き忘れてきたのではないか、と。
もちろん男子校は楽しかった。
あれほど純粋に笑えた時間は、その後の人生にはなかなか訪れない。
だけど人は、何かを守るたびに、別の何かを失う。
男子校という密室は、少年たちの自由を守った。
その代わりに、世界の半分に対する自然な身振りを、少しだけ遠ざけたのかもしれない。
そして多くの男子校出身者は、大人になってからも時々そのことを考える。
深夜のバーでハイボールを飲みながら。
あるいは電車の窓に映った少し疲れた自分の顔を見ながら。
あの頃、我々は確かに幸福だった。
しかし幸福というのは、ときどき静かな代償を伴うものなのだ。
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