ライアン retweetledi

「俺ちょっときついわ」
伊集院光 が、
うどんを一口も食べずに
店を出た。
理由は――
味じゃなかった。
香川県の有名うどん店。
壁いっぱいに貼られた注意書き。
・並ぶ位置はここ
・3列で並ぶこと
・入店したら即トレー
・お茶は飲める分だけ
その空気を見て、伊集院は思った。
「俺、ここちょっときついわ」
そしてそのまま退店。
次に向かったのは
別の人気店。
すでに行列ができていた。
並んでいると、
列整理のおばちゃんが怒った口調で叫ぶ。
「はい!右手に箸持って!
携帯しまって!」
伊集院は静かに言った。
「ごめんなさい」
そしてここも、
食べずに店を出た。
彼が苦言を呈したのは、
味ではなく、
“食べる前の空気”だった。
「下手すりゃ、
味より優先するところがある」
どれだけ名店でも、
緊張しながら食べる一杯と、
気持ちよく食べる一杯。
同じ味なわけがない。
もちろん、店にも事情はある。
マナーの悪い客、
回転率、混雑、ルール。
でも客が求めているのは、
うどんだけじゃない。
また来たいと思える
空気込みの一杯だ。
うまい店より、
感じのいい店が勝つ時代。
伊集院の言葉は、
そこを突いていた。

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