にゅ〜ろろぐ🧠|脳と神経の専門医🔨

9.4K posts

にゅ〜ろろぐ🧠|脳と神経の専門医🔨 banner
にゅ〜ろろぐ🧠|脳と神経の専門医🔨

にゅ〜ろろぐ🧠|脳と神経の専門医🔨

@NeurologStrHd

急性期病院で診療・教育・研究に従事|専門分野は脳卒中・頭痛|エビデンスを明日から使える知識へ|片頭痛もち|#mJOHNSNOW|

医療相談不可/ポストは個人的見解 Katılım Mart 2011
599 Takip Edilen1.8K Takipçiler
Sabitlenmiş Tweet
にゅ〜ろろぐ🧠|脳と神経の専門医🔨
はじめまして。 地方の急性期・市中病院で働く脳神経内科医です🧠 脳卒中と頭痛を中心に、脳神経内科のエビデンスを発信しています。 論文をそのまま紹介するのではなく、現場でどう考え、どう使うかまで含めて、明日から使える臨床知に翻訳することを大切にしています。 神経が苦手な研修医・専攻医・非専門医の先生にも、診療の根拠が見える発信を心がけています。 自分自身も片頭痛当事者で、適切な診断や治療にたどり着けず困る“頭痛難民”を一人でも減らしたいと思っています。そうした啓発の面でも発信していきたいです。 頭痛は日々の診療に近い形で、脳卒中はweb記事連載や今後の書籍執筆も通じて、より体系的に発信していくつもりです。 🧩 Blog「にゅ〜ろろぐ|脳の羅針盤」 neurolog-compass.com ※医療相談には対応していません ※発信は個人的見解です
日本語
1
3
20
1.2K
にゅ〜ろろぐ🧠|脳と神経の専門医🔨
【トリプタン、「効かない」の前に確認したいこと💊】 片頭痛診療で、 「トリプタンを出したけど効きませんでした」 と言われることがあります。 もちろん薬剤変更を考える場面もあります。 でもその前に、 「いつ飲んでいるか」 「どの発作で飲んでいるか」 を確認したいです。 今回は、韓国の頭痛ダイアリーアプリを用いた大規模リアルワールドデータ(RWD)をご紹介します🧵👇 📝研究デザインと強み 今回の研究は、韓国頭痛学会が開発したスマホアプリの自己入力データを用いた「後ろ向き非介入研究」です。 対象は23,713人。 そのうち片頭痛は疑い例も合わせて75.5%でした。 アプリデータの強みは、発作・服薬・機能障害をリアルタイムに近い形で記録できる点です。 従来のアンケート研究で課題となる「思い出しバイアス(recall bias)」を軽減できる可能性があります。 📊批判的吟味:アプリ研究の解釈 一方で、アプリ研究には「選択バイアス(selection bias)」への注意も必要です。 積極的に記録する人、症状が強い人、頭痛への関心が高い人が多く含まれる可能性があり、一般集団をそのまま代表しているとは限りません。 また、診断や治療効果は自己入力に基づくため、厳密なRCTとは異なります。 ここは「リアルワールドの傾向」として読むのが大切です。 💡結果の解釈 86,301回のトリプタン使用発作のうち、40.3%が急性期治療失敗でした。 10代では62.1%と高値でしたが、服薬タイミング、用量、診断精度などの交絡が影響している可能性があり、単純に「若年者には効きにくい」とは言えません。 また、予兆・前兆・誘発因子を伴う発作では、治療失敗のオッズが低い傾向がありました。 ただし、これも「前兆があれば薬が効く」という因果関係を示すものではありません。 前兆があればその後に頭痛が来るので、服薬タイミングが早めに飲めているなどがあるのかもしれません。 📝まとめ トリプタンが「効かない」とき、すぐ薬剤変更に進む前に、まず確認したいのは服薬タイミングです。 ポイントは、 ・痛みがピークになってから飲んでいないか ・頭痛発作を見極められているか ・悪心/嘔吐で内服薬が効きにくい状況がないか ・服薬日数が増え、薬物乱用頭痛が重なっていないか です。 前兆だけで一律に内服を勧めるのではなく、 「自分の発作パターンを把握し、頭痛が始まったら痛みが軽いうちに対応する」 という指導が現実的です。 頭痛ダイアリーは単なる記録ではなく、 「いつ飲めば効きやすいか」を患者さんと一緒に見つけるツールになり得ます。 トリプタンが効かないとき、 薬を変える前に、飲み方を見直す。 これだけでも診療が変わるかもしれません。 先生方は、トリプタンが効かないと言われた際、どのような点に注意して服薬指導をされていますか? ▼参考文献 PPark HK, Noh Y, Chu MK, et al. Characterizing migraine burden and treatment response using nationwide smartphone app-based data in Korea. J Headache Pain. Published online April 24, 2026. doi:10.1186/s10194-026-02370-7 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42032452/
にゅ〜ろろぐ🧠|脳と神経の専門医🔨 tweet media
日本語
0
3
8
448
にゅ〜ろろぐ🧠|脳と神経の専門医🔨 retweetledi
にゅ〜ろろぐ🧠|脳と神経の専門医🔨
【レカネマブ投与中のMRI、ARIAだけ見ていませんか?】 抗アミロイドβ抗体薬の使用が広がるにつれ、ARIAのモニタリングは臨床現場でも重要になっています。 多くの施設では、FLAIRでARIA-E、T2*WI/SWIでARIA-Hを確認する流れが意識されていると思います。 ただ、脳神経内科医としてはもう1つ見落としたくない画像があります。 それがDWIです。 今回紹介するのは、レカネマブ投与中の患者261例を対象に、DWI高信号を伴う脳虚血性病変とARIAの関連を検討した後ろ向きコホート研究です。 結果として、261例中11例、4.2%にDWI高信号を伴う脳虚血性病変が確認されました。 特徴的だったのは、これらの病変の多くが小型かつ無症候性で、小脳や皮質に多く分布していた点です。 また、DWI病変を認めた患者では、認めなかった患者と比べて高齢で、MoCAスコアが低く、ARIAの併発率も高い傾向がありました。 傾向スコアマッチングで背景因子を調整した後も、ARIAとDWI病変の関連は示されました。 ただし、これは「ARIAが直接脳梗塞を起こす」と証明したものではありません。 本研究は後ろ向きコホート研究であり、DWI病変を認めた症例は11例と少数です。 また、傾向スコアマッチングは「測定された交絡因子」を揃える方法であり、未測定の血管危険因子、APOE遺伝子型、CAAの程度、抗血栓薬使用、血圧変動などの影響を完全には除けません。 因果関係を示すというより、注意すべき重要な因子と捉えるべきです。 ARIAは浮腫や微小出血として理解されがちですが、抗アミロイド抗体薬使用中には、DWI高信号を伴う小さな虚血性病変が併発していないかにも注意が必要かもしれません。 特に高齢、血管危険因子あり、CAAを疑う画像所見、抗血栓薬使用中の患者では、MRIフォロー時に 「FLAIRとT2*/SWIでARIAを見る」 だけでなく、 「DWIで小さな皮質・小脳病変がないか」 まで確認したいところです。 Take Home Messageです。 レカネマブ投与中のMRIでは、ARIA-E/ARIA-Hの評価が中心になります。 しかし今回の報告は、ARIAとDWI高信号を伴う小型・無症候性の脳虚血性病変が関連する可能性を示しました。 因果関係はまだ断定できません。 それでも、抗アミロイド抗体薬時代のMRIモニタリングでは、DWIを“ついでに見る”のではなく、安全管理の一部として意識する価値がありそうです。 先生方の施設では、レカネマブ投与中のMRIでDWI所見までどの程度意識されていますか? 参考文献📋️ Ryan D, Lutz MW, Sides T, O'Brien R, Johnson K. Diffusion weighted imaging abnormalities and cerebral ischemia in a cohort of patients on lecanemab. Alzheimers Dement. 2026;22(4):e71392. doi:10.1002/alz.71392 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42015330/an
にゅ〜ろろぐ🧠|脳と神経の専門医🔨 tweet media
日本語
0
3
9
651
にゅ〜ろろぐ🧠|脳と神経の専門医🔨
@FJ20xXN8RF21789 貴重な経験談、ありがとうございます! 問題集、詳しく解説していただいているので、問題を解いて解説を読むだけでもかなり勉強になりました。 問題集の類題は落とさないように、問題集とICHD-3、ガイドラインあたりを中心に勉強したいと思います。
日本語
0
0
1
25
radial医師
radial医師@FJ20xXN8RF21789·
@NeurologStrHd 応援しております☺️ ちょうど問題集が刷新されたタイミングで受験しましたが、受験直後に帰りの電車で問題集をもう1周解くと、けっこう正誤を入れ替えたり、選択肢がほとんど共通の問題が多かったです。 問題集の解説も含めて勉強しておけば、類似問題はかなり正解できる試験とかんじました🙇🏻
日本語
1
0
1
45
にゅ〜ろろぐ🧠|脳と神経の専門医🔨
需要はあるかわからないが、頭痛専門医試験問題集をざっと1周した感想。 感じたのは、 ・解剖/生理 ・薬理 ・女性ホルモン関連 ・稀な頭痛のICHD-3診断基準 ・遺伝性疾患と関連遺伝子 ・小児頭痛 あたりがかなり細かく問われること。 みんなそうかもしれないが、自分の弱点でもありました。 一方で、脳卒中診療も行っている急性期総合病院所属の脳神経内科医なので、 ・二次性頭痛の鑑別 ・画像読影(特に脳血管障害) ・臨床推論 などの臨床問題は比較的解きやすい印象でした。 頭痛専門医試験は、 “普段の頭痛外来だけでは埋まらない知識” もかなり問われる試験だと実感します。 特に、 ・女性ホルモンと片頭痛 ・小児頭痛 ・遺伝性疾患 ・ICHD-3の細かい診断基準 などは、意識して整理しないと迷う問題が多い印象。 ここからは、 ・過去問 ・HMSJポストテスト ・ICHD-3 ・ガイドライン ・薬理/解剖 を反復しつつ、 頭痛関連書籍、講演会、e-casebookなどの動画コンテンツも活用して勉強していきたいです。 次回のHMSJも、プログラムを見る限りかなり良い復習になりそうなので、いつも以上に真剣に聞かねば💪
日本語
1
0
19
1.2K
にゅ〜ろろぐ🧠|脳と神経の専門医🔨 retweetledi
戸田千_Yuki Toda
戸田千_Yuki Toda@miyakowasureLC·
女性診療のエビデンスをぎゅうっとまとめました(エビぎゅう) メジカルビュー社 女性診療のあらゆる場面が、本当にぎゅうっと入っています。どの科のドクター、どのパラメディカルにも、役に立つ一冊に仕上がっています。 その中に産じょく女性が含まれているのです。 それはすごいことなんです。 柴田先生の眼差しに何度でも感動します。 日産婦や女性医学学会には、ほぼ産じょく女性の健康に触れる演題はありません。 (はい、私が演題を出さないのも問題の一角です。ごめんなさい。) 赤ちゃんを育てている人ならではの健康問題があり、母子という単位として発生する問題があります。 でも、そもそも医学の対象となっていないのです。 小児の問題は大人の問題解決方法だけでは解決しません。 同時に、赤ちゃんとその子を育てる女性の悩みごとは、子どもだけの問題や一人の女性だけの問題とは、少し異なります。 広い範囲を網羅している見事さと同時に、医学にとってしばしば透明人間になっている人たちに、気づくきっかけを届けてくれる本としての素晴らしさを、この エビぎゅう はもっています。 そこに参加できて光栄です。
メジカルビュー社@MV_eigyo

m3.com電子書籍×メジカルビュー社】 産婦人科・整形外科キャンペーン開催中🎉 期間:2026/5/7(木)~2026/6/6(土) 💡対象書籍が10%ポイント還元! 💡学会先行販売書籍をいち早く購入できる! 詳細は下記キャンペーンページよりご確認ください🔍(TM) ebook.m3.com/o/page/lp/medi…

日本語
0
4
18
3.1K
にゅ〜ろろぐ🧠|脳と神経の専門医🔨
引用ありがとうございます🙇‍♂️ まさにおっしゃる通りで、片頭痛と認知症の関連を示す報告はありますが、因果関係として解釈するには慎重さが必要だと感じています。 観察研究で関連が示されても、介入研究では同じ方向の結果にならないこともあり、「関連あり=因果」とは読めないですよね。 mJOHNSNOWなどで因果推論を学んで以来、「関連あり」をそのまま因果として読まない大切さを実感しています。 不安に寄り添いつつ、怖がらせすぎない説明を大切にしたいですね。
日本語
1
0
2
249
ひふみ頭痛外来
ひふみ頭痛外来@dr_hifumi·
「片頭痛が将来の認知症を増やす!」 「片頭痛治療が認知症リスクを減らす!」 と謳っているクリニックをたまに見ます。 私も片頭痛持ちとしてかなり心配です🥹 代表的な論文をいくつか読みましたが、 その因果関係は解釈が非常に難しいと感じています😣 「少なくとも片頭痛患者さんの不安を煽るには根拠が弱すぎる」 私の外来では、患者さんに心配しすぎないように伝えています🤔 にゅ〜ろろぐ先生のポストで改めて非常に勉強になりました🙇
にゅ〜ろろぐ🧠|脳と神経の専門医🔨@NeurologStrHd

【片頭痛持ちは、将来認知症になりやすい?】 外来で片頭痛の患者さんから、 「頭痛が多いと、将来認知症になりやすいのでしょうか?」 と聞かれたら、どう答えますか。 これまで片頭痛と認知症リスク上昇を示す報告もありました。しかし、最近のRotterdam Studyでは、少し違う結果が報告されています。 一般住民6,888人を対象とした前向きコホート研究です。 ベースラインで片頭痛を有していたのは1,041人(15.1%)。 追跡期間中央値は9.4年でした。 結果は意外で、片頭痛のある人では、ない人と比べて認知症発症リスクが低いという関連がみられました。 ・認知症:HR 0.70(95%CI 0.51–0.95) ・アルツハイマー病:HR 0.58(95%CI 0.40–0.85) では、 「片頭痛は認知症を予防する」 と言ってよいのでしょうか。 ここは疫学・因果推論の視点から慎重に読みたいところです。 これは観察研究なので、示しているのはあくまで「関連」です。 考えるべきポイントは、少なくとも3つあります。 1つ目は、既報との不一致です。 過去のメタ解析では、片頭痛と認知症リスク上昇の関連を示したものもあります。 ただし、研究デザイン、片頭痛の評価方法、認知症診断、調整因子には違いがあります。 評価方法や対象集団の違い、想起バイアス・選択バイアスなどの影響も考える必要があります。 2つ目は、曝露評価の難しさです。 片頭痛は若年期から続くことが多い一方、認知症は高齢期に発症します。 高齢期に質問票で片頭痛歴を評価すると、記憶の問題や前駆期認知機能低下の影響を受ける可能性があります。 3つ目は、未測定交絡です。 教育歴、生活習慣、受診行動などを調整しても、観察研究で交絡を完全に除くことは困難です。 【本日のまとめ】 ・Rotterdam Studyでは、片頭痛は認知症リスク低下と関連していた ・ただし、既報とは結果が一致せず、バイアスや交絡の影響も考慮が必要 ・臨床では「片頭痛=認知症リスク」と短絡せず、過度な不安を和らげる材料として使うのが妥当 「認知症を予防する」ではなく、 「過度に心配しすぎなくてよい」 くらいが誠実な解釈だと思います。 片頭痛診療では、 「頭痛を減らす」だけでなく、 患者さんの将来不安にどう答えるかも大事ですね。 参考文献: Acarsoy C, Bos D, Mooldijk SS, Ikram MA, Ikram MK. Migraine and the Risk of Dementia in the General Population. Alzheimers Dement. 2026;22(4):e71386. doi:10.1002/alz.71386 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42026653/ Jiang W, Liang GH, Li JA, Yu P, Dong M. Migraine and the risk of dementia: a meta-analysis and systematic review. Aging Clin Exp Res. 2022;34(6):1237-1246. doi:10.1007/s40520-021-02065-w pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35102514/

日本語
1
1
44
4.1K
にゅ〜ろろぐ🧠|脳と神経の専門医🔨
コメントありがとうございます。 とても大事な視点だと思います。 頭痛回数や頓服回数も重要ですが、それだけでは拾いきれない不調もありますよね。なかなか専門医以外には認知されていないと思いますが…。 外来ではどうしても時間の制約があることも多いですが、薬を飲まなかった日でも、痛み、光過敏、音過敏、だるさ、予定を控えた感じなどがあれば、診療上かなり大切な情報だと思います。 私は日記をつけて頂ける方は、できるだけそうした情報も一緒に確認できるようにしています。 頭痛ダイアリーにそこまで書いてくださっているのは、医師側としてはありがたいと個人的には思います。
日本語
2
0
1
36
mond🌝
mond🌝@vollmond_nacht·
@NeurologStrHd 頭痛回数=頓服を飲んだ回数とされるのでゴニョゴニョした気持ちでいます。 頭痛日記は何時に薬を飲んで、天気、できごと、どんな風に痛くて治ったかどうか… 飲まなかった日でも、頭痛、音過敏、光過敏などを感じれば同じように書いているのに… にゅ〜ろろぐ先生だといいなぁ…
日本語
1
0
1
69
にゅ〜ろろぐ🧠|脳と神経の専門医🔨
【頭痛日数が減った、それで十分ですか?】 片頭痛予防療法で、「頭痛の回数は減りました」 と言われると治療はうまくいっているように見えます。 でも実際には、 「頭は痛くないけど、なんとなくスッキリしない」 「光や音がつらい」 「だるくて仕事の効率が戻らない」 という患者さんもいます。 今日は、片頭痛診療で“頭痛のない日”をもう一段深く見る視点です。🧵 #片頭痛 #脳神経内科 片頭痛診療では、月間頭痛日数や月間片頭痛日数をよく確認します。 もちろん重要です。 ただ、頭痛がない日にも、 光過敏、音過敏、倦怠感、集中しにくさなどが残ることがあります。 このような日は、単なる頭痛のない日ではなく、 Unclear Days =「頭痛はないが、片頭痛関連症状が残る日」 として捉えられます。 一方で、 Crystal Clear Days =「頭痛も片頭痛関連症状もほとんどない、スッキリした日」 という概念があります。 つまり、 「頭痛がない日」 と 「本当にスッキリ過ごせる日」 は同じではない、ということです。 この違いは、患者さんの発作間欠期の負担を考えるうえで重要かもしれません。 今回の前向きリアルワールド研究では、CGRPモノクローナル抗体で治療された片頭痛患者200例を6か月追跡。 発作が月6回以下までコントロールされた患者さんでも、6か月時点で27.2%に実質的な発作間欠期負担が残っていました。 興味深いのは、その負担が 「残った頭痛日数」 よりも 「Unclear Daysの多さ」 「Crystal Clear Daysの少なさ」 と関連していた点です。 もちろん、これは前向き観察研究です。 ランダム化比較試験ではないため、 未測定の交絡や、治療反応性のよい患者さんが残りやすい影響などは考慮が必要です。 また、Crystal Clear Daysをそのまま治療目標としてよいかは、今後さらに検証が必要です。 ただ、日常診療への示唆はあります。 【Take Home Message】 片頭痛診療では、 「頭痛は月に何日ですか?」 に加えて、 「頭痛がない日も、スッキリ過ごせていますか?」 「完全に調子のよい日は月にどれくらいありますか?」 と聞くと、患者さんの困りごとが見えやすくなるかもしれません。 【参考文献】 Silvestro M, Orologio I, Ornello R, et al. The Relevance of Crystal Clear and Unclear Days to Evaluate Residual Interictal Burden in Patients With Migraine Treated With CGRP Monoclonal Antibodies. Eur J Neurol. 2026;33(4):e70608. doi:10.1111/ene.70608 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42029417/ Lee W, Cho SJ, Hwang H, et al. Crystal-clear days and unclear days in migraine: A population-based study. Headache. 2022;62(7):818-827. doi:10.1111/head.14359 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35833479/
にゅ〜ろろぐ🧠|脳と神経の専門医🔨 tweet media
日本語
1
1
7
431
にゅ〜ろろぐ🧠|脳と神経の専門医🔨
【片頭痛持ちは、将来認知症になりやすい?】 外来で片頭痛の患者さんから、 「頭痛が多いと、将来認知症になりやすいのでしょうか?」 と聞かれたら、どう答えますか。 これまで片頭痛と認知症リスク上昇を示す報告もありました。しかし、最近のRotterdam Studyでは、少し違う結果が報告されています。 一般住民6,888人を対象とした前向きコホート研究です。 ベースラインで片頭痛を有していたのは1,041人(15.1%)。 追跡期間中央値は9.4年でした。 結果は意外で、片頭痛のある人では、ない人と比べて認知症発症リスクが低いという関連がみられました。 ・認知症:HR 0.70(95%CI 0.51–0.95) ・アルツハイマー病:HR 0.58(95%CI 0.40–0.85) では、 「片頭痛は認知症を予防する」 と言ってよいのでしょうか。 ここは疫学・因果推論の視点から慎重に読みたいところです。 これは観察研究なので、示しているのはあくまで「関連」です。 考えるべきポイントは、少なくとも3つあります。 1つ目は、既報との不一致です。 過去のメタ解析では、片頭痛と認知症リスク上昇の関連を示したものもあります。 ただし、研究デザイン、片頭痛の評価方法、認知症診断、調整因子には違いがあります。 評価方法や対象集団の違い、想起バイアス・選択バイアスなどの影響も考える必要があります。 2つ目は、曝露評価の難しさです。 片頭痛は若年期から続くことが多い一方、認知症は高齢期に発症します。 高齢期に質問票で片頭痛歴を評価すると、記憶の問題や前駆期認知機能低下の影響を受ける可能性があります。 3つ目は、未測定交絡です。 教育歴、生活習慣、受診行動などを調整しても、観察研究で交絡を完全に除くことは困難です。 【本日のまとめ】 ・Rotterdam Studyでは、片頭痛は認知症リスク低下と関連していた ・ただし、既報とは結果が一致せず、バイアスや交絡の影響も考慮が必要 ・臨床では「片頭痛=認知症リスク」と短絡せず、過度な不安を和らげる材料として使うのが妥当 「認知症を予防する」ではなく、 「過度に心配しすぎなくてよい」 くらいが誠実な解釈だと思います。 片頭痛診療では、 「頭痛を減らす」だけでなく、 患者さんの将来不安にどう答えるかも大事ですね。 参考文献: Acarsoy C, Bos D, Mooldijk SS, Ikram MA, Ikram MK. Migraine and the Risk of Dementia in the General Population. Alzheimers Dement. 2026;22(4):e71386. doi:10.1002/alz.71386 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42026653/ Jiang W, Liang GH, Li JA, Yu P, Dong M. Migraine and the risk of dementia: a meta-analysis and systematic review. Aging Clin Exp Res. 2022;34(6):1237-1246. doi:10.1007/s40520-021-02065-w pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35102514/
にゅ〜ろろぐ🧠|脳と神経の専門医🔨 tweet media
日本語
0
0
8
4.6K
にゅ〜ろろぐ🧠|脳と神経の専門医🔨 retweetledi
官澤洋平 YK Hospitalist
官澤洋平 YK Hospitalist@Yohei_Kanzawa·
椎骨動脈解離も含まれる頸部動脈解離のリスクについての観察研究のシステマティックレビュー&メタアナリシス。 片頭痛がリスクになるんですね。 OR 2.34 (95%CI 1.58〜3.48) はり姫のカンファレンスで紹介いただきました_φ(・_・
官澤洋平 YK Hospitalist tweet media
日本語
2
5
52
6.2K
チャロくん🍊🐐🌿🍒
ACNES LACNES POCNES 皮神経の絞扼でおける痛み 腹直筋ではないけれど腹斜筋痛の患者さんにドヤって、「ACNESも鑑別に上がりますが・・・・」と言ってみたなり🐶 調べてみると、LACNESもあるのか・・・、これだ! 無事にペインクリニックで治療できたなり😉 #ACNES #LACNES
チャロくん🍊🐐🌿🍒 tweet media
ぞーさん消化器外科医@gMuhNNQnhUIqZoN

ACNESという病気を知っていますか? ある日突然、腹痛が起きて、人生で感じたことがない強い痛みなのに、病院にかかって検査をしても原因不明と言われる。 そんな痛みの中に腹部前皮神経絞扼症候群(ACNES;Abdominal Cutaneous Nerve Entrapment Syndrome)があります。 これは腹部の皮膚に行く神経(肋間神経の前皮枝)が通り道である腹直筋の部分での何らかの障害で腹痛が起きる病気です。 腹壁が原因なので内臓には障害がないのですが、内臓疾患のように吐き気や胸焼けを伴うこともあります。 採血やCTなどの画像検査でも何も見つからないので、この疾患を知らないと見過ごされるケースがあります。 多くが痛みで生活に支障がきていますが、注射による治療がとても有効で、1回で治ることも多く経験します。(慢性化しているものは数回必要なこともあります。) 僕は現在小さな病院で働いていますが、年間5例以上見ています。 (消化器内科としても働いているからかもしれませんが。) 特に、消化器内科医、消化器外科医に知っておいてほしい疾患の一つですね。 診断基準は 1、圧痛が腹部の片側 2、圧痛点が2cm以下のpinpoint 3、Carnett徴候が陽性 4、Pinch testが陽性 5、血液検査や画像検査で他の疾患が除外されること 6、局所麻酔による注射が著効すること などです。 もちろん重要な疾患を除外してからの診断になりますので、そこは注意が必要です。

日本語
3
15
151
17.3K
にゅ〜ろろぐ🧠|脳と神経の専門医🔨
【80歳超の軽症脳梗塞に、血栓溶解療法をするべきか?】 救急外来で、NIHSSは低い。 一見すると“軽症”。 でも画像を見ると、頭蓋内閉塞や灌流異常がある。 「軽症だけど、このまま悪化しないか」 「でも高齢者に血栓溶解は出血が怖い」 この迷い、ありませんか?🧵 軽症脳梗塞は、名前ほど簡単ではありません。 特に、 ・頭蓋内閉塞がある ・灌流異常がある ・症状は軽いが進行しそう という患者では、治療方針に悩みます。 今回紹介するのは、TEMPO-2試験のデータを用いた、80歳超の患者に注目した事後解析です。 TEMPO-2試験は、軽症脳梗塞に対するテネクテプラーゼ(※ 現在、本邦未承認)の有効性を検討したRCTです。 対象は、 ・NIHSS 0–5 ・発症12時間以内 ・頭蓋内閉塞または灌流異常あり この条件で、 「テネクテプラーゼ vs 非血栓溶解の標準治療」 を比較しました。 今回はその中から、80歳超の患者に注目した解析です。 結果は少し意外でした。 80歳超では、テネクテプラーゼにより、 ・早期再開通は増える ・5日目NIHSS 0も増える 一方で、90日後の機能予後良好、つまりmRS 0–1は、 ・テネクテプラーゼ群:46.2% ・標準治療群:59.8% と、むしろ標準治療群の方が良い結果でした。 なぜ短期的には良さそうなのに、90日転帰は悪くなるのか? 一因として考えられるのが、有害事象です。 80歳超では、テネクテプラーゼ群で重篤な有害事象が多く、特に出血や梗塞の進行・再発が問題となっていました。 ここで大事なのは、 「血管が開く」ことと、 「患者さんの転帰が良くなる」ことは、 必ずしも一致しないという点です。 【Take Home Message】 80歳超で、NIHSS 0–5かつ頭蓋内閉塞または灌流異常を伴う軽症脳梗塞では、テネクテプラーゼを機械的に選ぶべきではなさそうです。 本研究は事後解析であり、あくまで仮説生成的ですが、短期的な再開通だけでなく、出血リスク、発症前ADL、治療しない場合の悪化リスクを総合的に考える重要性を教えてくれます。 軽症脳梗塞の治療方針は、年齢、閉塞部位、灌流異常、患者背景、そして、本当に軽症・非障害性といえるか、で大きく揺れます。 皆様の施設では、80歳超の軽症脳梗塞に対する血栓溶解療法を、どのような基準で検討されていますか? 【参考文献】 ▼TEMPO-2 事後解析 Ganesh A, Vatanpour S, Yu AYX, et al. Outcomes After Minor Ischemic Stroke in Older Patients Treated With IV Thrombolysis vs Standard of Care in the TEMPO-2 Trial. Neurology. 2026;106(9):e214925. doi:10.1212/WNL.0000000000214925 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41980227/ ▼参考:TEMPO-2 主試験 Coutts SB, Ankolekar S, Appireddy R, et al. Tenecteplase versus standard of care for minor ischaemic stroke with proven occlusion (TEMPO-2): a randomised, open label, phase 3 superiority trial. Lancet. 2024;403(10444):2597-2605. doi:10.1016/S0140-6736(24)00921-8 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38768626/
にゅ〜ろろぐ🧠|脳と神経の専門医🔨 tweet media
日本語
0
0
6
1K
濱田治|病院と人を育てる総合内科🧵
プライマリ・ケア連合学会 シンポジウム7 脆弱性骨折のコマネジメントとMulticomplexity―急性期から在宅までの包括的アプローチー こちらで講演いたします📣 スライド完成 あとはリハーサルしながら 磨き上げていきます
濱田治|病院と人を育てる総合内科🧵 tweet media
日本語
3
1
15
1.1K
にゅ〜ろろぐ🧠|脳と神経の専門医🔨 retweetledi
Shu Neshige|脳を診る内科医
こういう論文、かっこいい 大血管閉塞の脳卒中で、「血栓回収(EVT)」 vs. 「アルテプラーゼでの静注血栓溶解(IVT)+EVT」の費用対効果を比較 発症からIVT投与までの時間も考慮し、 結果として、IVT+EVTは170分以内であれば費用対効果が高いが、200分を超えると全ての国で非効率...
Shu Neshige|脳を診る内科医 tweet media
Neurology Journal@GreenJournal

This study looked at the cost-effectiveness of IV alteplase plus #thrombectomy vs thrombectomy alone in patients admitted directly to thrombectomy-capable centers across 16 countries, stratified by onset-to-IVT time: hubs.la/Q04gpmDk0 #Stroke

日本語
0
7
33
8.2K
にゅ〜ろろぐ🧠|脳と神経の専門医🔨
【特発性頭蓋内圧亢進症の頭痛、頭蓋内圧だけで説明していませんか?】 特発性頭蓋内圧亢進症(IIH)では、乳頭浮腫や視機能だけでなく、頭痛コントロールに悩むことがあります。 しかも、その頭痛はしばしば片頭痛様です。 では、IIHの頭痛は圧が高いから痛いだけなのでしょうか? 今回はCGRPに注目し、機序を検証した研究をご紹介します。 今回の研究では、過去に片頭痛歴のないIIH女性20例を対象に、CGRPまたはプラセボを静注するランダム化二重盲検クロスオーバー試験が行われました。 完了例17例では、CGRP投与後に71%で典型的なIIH頭痛が誘発され、プラセボでは18%でした。 頭痛は片頭痛様の特徴を伴っていました。 興味深いのは、CGRPで平均頭蓋内圧は上がらなかった点です。 一方で、頭蓋内圧の脈波の振幅は有意に増加しました。 ざっくり言えば、平均の圧そのものではなく、拍動に伴う圧変動=頭蓋内コンプライアンスの変化が頭痛と関連した可能性があります。 IIHによる頭痛を“頭蓋内圧の数字だけ”で見ない視点が重要です。 批判的吟味も必要です。 本研究は二重盲検クロスオーバーで、主観的アウトカムである頭痛を扱ううえでは強いデザインです。 一方で、完了例は17例と少なく、対象は片頭痛歴のないIIHの女性に限られます。 また、これはCGRPを投与して頭痛を誘発する研究であり、抗CGRP薬の治療効果を直接示した試験ではありません。 <Take Home Message> ・頭蓋内圧亢進症の頭痛は、単に平均頭蓋内圧が高いから痛いとは限らない。 ・CGRPを介した片頭痛様メカニズムや頭蓋内圧脈波の振幅、頭蓋内コンプライアンスの変化も関与する可能性があります。 ・難治性の頭蓋内圧亢進症による頭痛を考えるうえで、今後CGRP経路は重要な研究テーマになりそうです。 <参考文献📚>️ Yiangou A, Do TP, Mollan SP, et al. Calcitonin gene-related peptide induces headache attacks in people with idiopathic intracranial hypertension. Brain. Published online April 16, 2026. doi:10.1093/brain/awag126 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41989095/
にゅ〜ろろぐ🧠|脳と神経の専門医🔨 tweet media
日本語
0
0
3
472
タワマン😆🌻
タワマン😆🌻@moory28510679·
@NeurologStrHd @deep__wreck RAPIDがあった施設ではCore 100ccを越えてると消極的でした。 いまの施設はRAPIDがないので、FLAIR mismatchが多ければ血栓回収してます。となると、mRS4-5の人以外のLVOは正直全例回収しに行ってますね。
日本語
1
0
1
76
にゅ〜ろろぐ🧠|脳と神経の専門医🔨
【ASPECTS 0–2では、血栓回収を諦めてよいのか?】 夜間救急で、前方循環主幹動脈閉塞。 画像を見ると、すでに広範な虚血変化。 ASPECTS 0–2。 「これはもう血栓回収療法の適応外では?」 と迷う場面があります。 でも近年、この“超大型梗塞”に対する考え方は少し変わりつつあります。 広範囲梗塞に対する血管内治療は、SELECT2、ANGEL-ASPECT、TENSION、LASTEなどで有効性が示されてきました。 一方で、実臨床で特に悩ましいのが、さらに梗塞範囲が広い「ASPECTS 0–2」の患者さんです。 「ここまで広いと、本当に再開通を目指す意味があるのか?」 ここは今も判断が難しい領域です。 今回紹介するのは、LASTE試験のASPECTS 0–2に注目した解析です。 対象は、 ・80歳以下 ・発症前mRS 0–1 ・前方循環主幹動脈閉塞 ・最終健常確認から6.5時間以内 ・ASPECTS 0–2 181例が解析され、コア体積中央値は156 mL。 かなり大きな梗塞巣です。 結果です。 EVT+内科治療群は、内科治療単独群と比べて、 ・90日後のmRS分布が改善:オッズ比 1.81 ・死亡率が低下:38.4% vs 59.6% ・mRS 0–3が増加:31.4% vs 8.5% mRS 0–3は完全な自立ではありませんが、歩行自立を含む比較的良好な転帰と考えられます。 ただし、慎重に読みたい点もあります。 本研究は事後解析です。 サブグループ内では症例数が限られ、背景因子のバランス、検出力、多重性の問題が残ります。 また、主にMRIで選択された早期時間枠、かつ80歳以下の患者データです。 高齢者、遅い時間枠、重い併存疾患を持つ患者にそのまま広げるのは危険です。 症候性頭蓋内出血も、12.9% vs 4.5%と数値上は増えていました。 『Take Home Message』 ASPECTS 0–2は、たしかに厳しい病態です。 しかし、ASPECTSが低いことだけで血栓回収療法を機械的に除外する時代ではなくなりつつあるのかもしれません。 大切なのは、 画像、年齢、発症前ADL、時間、閉塞部位、患者背景を合わせて考えること。 「広範囲梗塞=治療しない」ではなく、 「この患者で再開通に意味があるか」を考えたいですね。 適応に悩む重症例へのアプローチとして、日々の診療の参考になれば幸いです。 皆様の施設では、ASPECTS 0–2のような超大型梗塞に対して、どのような基準でEVTを検討されていますか? ぜひコメント等でご意見をお聞かせください。 【参考文献】 LASTE試験サブ解析 Lapergue B, Arquizan C, Albucher JF, et al. Endovascular Thrombectomy in Patients With Largest Baseline Infarcts (ASPECTS 0-2): An Ancillary Analysis of the LASTE Trial. Stroke. Published online April 14, 2026. doi:10.1161/STROKEAHA.125.054161 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41979451/ ASPECTS 0–2に対するEVTのメタ解析 Winkelmeier L, Maros M, Flottmann F, et al. Endovascular Thrombectomy for Large Ischemic Strokes with ASPECTS 0-2: a Meta-analysis of Randomized Controlled Trials. Clin Neuroradiol. 2024;34(3):713-718. doi:10.1007/s00062-024-01414-2 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38687364/
にゅ〜ろろぐ🧠|脳と神経の専門医🔨 tweet media
日本語
1
2
6
1.1K